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[レビュー]Evolucija – Hunt(セルビア/フィーメイル・ゴシックメタル)

[レビュー]Evolucija – Hunt(セルビア/フィーメイル・ゴシックメタル)

セルビア出身のフィーメイル・ゴシックメタルEvolucijaの3rdフルアルバム。2018年作品。ドイツのPure Steel Publishingからのリリース。

関連情報

バンドのバイオグラフィーや本作2018年の本作までの経歴については、デビュー作や2ndアルバムのレビュー記事に詳しいのですが・・・

バンドの結成は2007年。同年に、1stフル”Baklja slobode”をリリースしています。当時はスイスがバンド活動の拠点だったようですが・・・レビュー記事で書いてる様に恐らく結構な問題作。気になる皆さんはレビュー記事をぜひご覧あれ。

そして2012年ごろにはバンド活動の拠点をセルビアに移し、それに伴いバンドの仕掛人であるDragiša Marinjes氏以外のメンバーはすべて交代しています。

そして2016年には新たなラインナップにて2ndアルバムとなる、“Igra Pocinje” (“the game begins”)をリリース。ここで彼ら流の、女性ヴォーカルをフロントに据えた、ポップでキャッチーかつメロディアスで壮麗でもあるシンフォニック・ゴシックメタルを提示して見せました。

その後ほどなくして、彼らは3rdアルバムとなる本作”Hunt”の制作を開始。ブックレットによると、レコーディングはセルビアのYouth Center Kragujevac(クラグイェバツ)のスタジオで行われたようです。

編成は仕掛け人のDragiša Marinjes氏(ベース)に、氏の奥様であるIlana Marinjes女史(ヴォーカル)、Stevan Miletić(ギター)の3人は前作から続投、Igor Miladinović(ギター)と、Goran Nikolić (ドラムス。R.I.P. 2019) の2人が新加入となってます。・・・が

それから数人ゲスト参加している人物もいるようですが、キーボードに同郷セルビアのプログレ系Burning CircleからPredrag Pavlovićが参加していますね。

過去作リンク

ということで、前作“Igra Pocinje” から比較的間もないインターバルでリリースされた本作はどんな内容なのでしょうか。。。

 

彼らEvolucijaの過去作は↓記事で紹介しています。

[レビュー]Evolucija – Baklja slobode(セルビア/フィーメイル・ゴシックメタル)

[レビュー]Evolucija – Igra počinje(セルビア/フィーメイル・ゴシックメタル)

英語詞の効果

さて本作、3rdフルアルバム、なのですが、実際内容は前作の英語詞でのリレコーディング盤と呼んだ方が正しい内容です。収録曲・曲数は全く同じですね。楽器隊の演奏も前作と同じ録音の模様。

ということで、本記事では前作と本作の違いについて特に注目して紹介してみたいと思います。

最大の違いがヴォーカルも英語詞ということで、前作のセルビア語詞がどこかエキゾチックに聴こえていたのに対して、本作では聴きなれた英語の響きで馴染みやすい。その点もポップ味と呼んでも良さそう。総じてゴシックメタルというよりメロディアスハードを聞いてるような雰囲気です。

アップテンポでキャッチーな1曲目は後半のシンセの装飾が男性声のナレーションに代わってます。

6曲目は楽曲アレンジのミステリアスさはそのままに、バックヴォーカルに男性声が入ってほんのり重厚さが増しました。

そして本作で一番のお気に入りの7曲目は、英語詞の響きのキレ?が楽曲をさらにすっきりキャッチーにしているようで好感触。何を歌ってるかイメージしやすいってのもきっと効いてるんでしょう。

8曲目は、おそらくゲストPredrag Pavlovićによる男性ヴォーカルパート入りでデュエット風の作りになってて、前作のイメージで聴いていると、その違いにハッとさせられます。

ラスト10曲目サビの、ゆったり呼びかけるような歌メロは英語詞だからこその明確さで耳に刺さってちょっと感動的。前作同様にその透明感が素敵でうっとりします。さらに英語ならもっとみんなにその言葉が届きますからね。。

 

・・・とこうして聴くと、主にヴォーカルパートが単に置き換えられているだけでなく、強化もされていることが分かります。確かに比較しながら聴くと、前作はヴォーカルがやや平坦でとしてダイナミックさに乏しい感じもありましたので。

飛躍への足掛かりとなるアルバム

なんだかここまで、間違い探しをしてきた気分ですが、上記のような詳細な点を除けば全体の印象はほとんど同じで、ヴォーカルの響き方が異なる作品ということになるでしょう。

これはおそらく優劣というよりは、耳なじみの好みの差でもありそうですが、例えば英語詞のこちらの方が聴いた感じすっきりしてる気がします。聴きなれないセルビア語がエキゾチックに、時にミステリアスに響くアンダーグラウンド感を取るなら前作でしょうか。

インタビュー記事などでもあまり詳細には語られていないのですが、バンドが語るところによると本作でよりワールドワイドな注目を集められるようになった、とのことなので・・・ドイツのPure Steel Publishingから英語詞での本作のリリースというのは、地元セルビアの国境を越えてバンド活動を推し進めていく第一歩となったのかもしれませんね。

Amazon様↓


Evolucija – HUNT
 

 

そして彼らEvolucijaは今後いよいよ本作に続く4thフルアルバムをリリース予定ということで、アルバムから先行シングルが公開されてます。さらにダイナミックになった彼らのメタルサウンドに期待が高まりますが、その一端をYouTubeで聴くことが出来ますので要チェックです。↓

[メタルニュース]セルビアのフィーメイル・シンフォ/ゴシックメタルEvolucijaがニューシングルを発表!

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