[Review]Decrepancy – Paralyzed Will (セルビア/デスメタル)

[Review]Decrepancy – Paralyzed Will (セルビア/デスメタル)

セルビアのJagodina(ヤゴディナ、でいいのかな)出身のデスメタル、Decrepancyの1stアルバム。2012年作品で本記事執筆時点での最新作になりますね。CDケース内側には赤文字でSERBIAN DEATH METALの文字が。

周辺情報的なもの

Jagodinaはセルビアの首都ベオグラードから南へおよそ140km位のセルビア中央に位置する都市で、近くにはセルビアで4番目に大きな、Kragujevac(クラグイェバッツ)という都市もあります。

バンドのFacebookページによると、2004年にJagodinaでヴォーカリストのIgor Nikolic ”Gizma”氏と、ギタリストのAndrija Marovic氏、もう一人のギタリストZoran Sokolovic氏の3人で結成。Zoran氏はなんと(?)同郷のVader型デスのInfestのフロントマンでもあります。

結成当初はドラマー探しが難航したようで、セッションドラマーとして、首都ベオグラードのブルデスSacramental BloodのIvan Petrović氏が関わっていたようです。

こうしてみると、セルビアのデスメタル方面との人脈のつながりが結構ありそうに見えます。とはいえInfestも同じJagodina出身なので、単に距離的に近いから、というのも理由なのかも知れませんが。

現在まで在籍してるのはIgor氏とAndrija氏の2人のようですね。本作のレコーディングはこの2人と新加入メンバーで行われています。

あとはネットであれこれ見てると、たぶん、2018年に地元セルビア最大の音楽フェスであるEXITでライブをやってたようです。確かその年は地元のBaneThe Stoneも出てたっぽいので、セルビアのメタル界においてなかなかアツい年だったのでは・・・。余談ですが。

スロー・デス

さてこの、SERBIAN DEATH METALなるDecrepancyの音楽とはいかなるモノなのか。。。

全体的には90年代前半くらいにありそうな、オールドスクール・デスメタルと呼んでよさそうです。なんというか、スラッシュメタルからデスメタルに以降しかけの頃のあの雰囲気に近いんだと思います。

個人的に、昔のObituaryとか、Necroticismアルバムの頃のCarcassとかが思い起こされます。

どちらかというとあんまりスピード感の無い作風で、ちょっとまとわりつく様なテンポでリフがうにょうにょしてる、みたいな。。

ブラストビートもあるにはありますが、爆速系ではなくて、ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・みたいな隙間のあるやつというか、遅いやつというか、なので、やっぱり速さは感じないです。

その点で印象に残るのは、ファストな攻撃性というよりは、スローミドルテンポでジワジワくる絞殺系の趣。楽曲の雰囲気どおりのスロー・デス系?

とはいえドゥーミーな密室感はないように思われるので・・・表現難しいですね。

 

音質はクリアで、分離も良く、特にギターは音の粒がつぶれてしまうギリギリ(?)の歪み具合と思われるので、ヘヴィでありながらすっきりしたサウンドになってると思います。そのぶんドロドロ感は少なめでしょうか。・・・なんだかラーメンの食レポみたい。

 

曲単位で印象的だったのは・・・実は全体に地味でどの曲も似たような感じなので、これといったお気に入りも見つからないかも、とちょっと焦りもしたのですが・・・

7曲目に収録されてる曲が、なかなかクールでした。ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・・・とトゲトゲしたブラストで入り一瞬のブレイク。その直後の無音部分でヴォーカルが、”ウゴアァァァア!”。

この間は思わずニヤリとしてしまいそうです。

そのあとは2ビート(?)でスタスタ進んでいくのですが、このテンポ&ギターリフがなんともダンサブルで素敵。中盤のトレモロリフのハモリはCannibal Corpse風?で気味悪くて最高。

この曲(だけ?)はかなり構成も見事な、アルバム中屈指の名曲といって良さそうです。

まとめ

・・・という、少々地味なところもある、初期デスリスペクト風な彼らDecrepancyの”SERBIAN DEATH METAL”でした。

いつもこうして音源を記事にするときは、イメージ掴むために結構な回数聴くことになるんですが、何度聴いても、悪くないけど地味、というのから抜け出せなくて、なかなか生みの苦しみを味わわせてくれる作品でした。

この記事の前には、Ashes You LeaveのFireアルバムを仕込んでましたが、そこから地味で印象に残りにくい作品が続いたということで・・・ちょっと逃げ出したくなったことは否定できません(苦笑

良くも悪くも、バルカン産メタルの現実の姿の一端が見え隠れしてるように思えますね。

 

最後に。彼らのFacebookページには「ニューアルバムがもうすぐ」のコメントともに、新曲のYouTubeリンクが載ってるのですが、その日付が2017年のもので・・・止まってます。

その新曲はかなりの進化を遂げた感じに仕上がってるだけに、いつかその新作が我々の元へ届けられることを願ってやみません。

 

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