[Review]Black Cult – Cathedral of the Black Cult (クロアチア/ブラックメタル)

[Review]Black Cult – Cathedral of the Black Cult (クロアチア/ブラックメタル)

クロアチアのリエカ(Rijeka)出身のブラックメタル、Black Cultの2ndアルバム。2016年作品。新品が何故かワンコイン以下という驚きの価格になっているのを発見して、そのままポチりました。。

本ブログでは前作も取り上げていますが、古き良き時代のスウェディッシュスタイルを受け継いだ、なかなかのブラックメタル巧者ぶりだったので、本作ではどうなってるのか気になるところです。

 

前作”Neo-Satanism”アルバムは↓記事で紹介しています

[Review]Black Cult – Neo-Satanism(クロアチア/ブラックメタル)

関連情報

前作”Neo-Satanism”アルバムは、中核メンバーで同郷のフィーメイル・ゴシックAshes You Leaveでも活躍しているInsanus氏がヴォーカル以外の全てのパートを担当し、Morbid氏がヴォーカルと歌詞を手がけ製作されましたが、本作はラインナップがより充実しています。

前作のリリース後の2014年に、Lesnik氏(ベース)と、Azaghal氏(リズムギター)が加入し、翌2015年にはThe Fallen氏(リードギター)が加入しています。そしてその後2015年から2016年にかけて、本作のレコーディングが行われています。

 

Ashes You Leaveの作品は↓記事で紹介しています

[Review]Ashes You Leave – Fire(クロアチア/フィーメイルゴシック・ドゥーム)

[Review]Ashes You Leave – Songs Of The Lost(クロアチア/フィーメイルゴシック・ドゥーム)

 

さて、こうしてフルラインナップの形で生み出された本作ですが、その音は一体どのような仕上がりになっているのでしょうか??

飛躍した説得力

実は(?)本作”Cathedral of the Black Cult”を最初に聴いた時は、その音にかなり驚かされました。

ほとんど最初のリフというか、最初の1音で、「今回の彼らは何か違う」と確信させる何かが。前作は全体的にちょっとこじんまりとしていながら、なかなか(良い意味で)小ざかしく憎たらしいブラックメタル巧者ぶりを見せつけてくる感じでした。

しかしながら本作は完全に化けてます。基本的な作風は前作と同じ、在りし日のスウェデイッシュブラックを現代のクオリティで蘇らせたような感じですが、本作での堂々たる貫禄たるや、そこにはもう前作で感じた小憎たらしさは全く無く、ただただその暗黒の破壊力にひれ伏すのみ。。。

より具体的には、その一番の要因は、サウンドプロダクションにあると思います。前作は充分クリアながら、ややこじんまりと聴こえてしまう感じでしたが、本作はそれを完全に解消。

音作りの方向性は前作と同じながら、ややモノトーン風だった音がより鮮明になり、音の奥行きと広がり感・・・そう立体感が大幅に増しています。そのおかげで音楽の破壊力がより伝わるようになっています。

 

ジワジワ締め上げてくるようなリフでスローに入り、徐々にテンションを上げ速度を増してくる1曲目。いきなり邪悪で威厳に満ちた音像で、今回の彼らは一味違うと思い知らされます。全編を通して共通ですが、手数が多くテクニカルで、しかも素晴しいノリを持つInsanus氏によるドラミングが最高に格好良い。

そしてその見事なドラミング、ブラストビートが炸裂しまくる2曲目。ギターリフ、とりわけトレモロリフのメロディ感はいかにもスウェディッシュな邪悪さとウエット感を感じさせます。後半には狂気のギターソロも切り込んできたりして、一体何なんでしょう、この風格。前作とはえらい違いです。

3曲目は、スピード感は控えめで、ブラック・デスメタル風の重厚感が漂う一品。彼らは嵐のようなブラックメタルだけでなく、暗く淀んだ雰囲気の死の香りを運ぶ術も身につけたようです。そのストーミーなブラックメタルと、鈍器で畳み掛けるようなデスメタル感と行き来しながら、中盤では高速ビートの嵐にのせて、勇壮なクリーンヴォーカルが登場。嵐を切り裂くその歌声は、なんだか神々しい。

これは彼らの新しい試みですが、なかなか驚かされました。一気に化けて破壊力を増してきた音像だけでなく、こうした新たな表現方法まで見事に取り込むとは・・・完全に何かが覚醒しています。

 

ミドルテンポでオカルティックな雰囲気を放つ4曲目に続き、不穏なリフとブラストビートで邪悪さを撒き散らす5曲目。スウェディッシュスタイルの手法にならった感じというのは、この曲でも変わりませんが、この説得力です。たぶん目新しさはそれほどないにしても、ここまで堂々と技巧みにたたみかけられると、もう降伏せざるを得ません。。いややっぱりスゲェよ彼ら。

そして、続く6曲目7曲目も相変わらずの強力さなのですが、統一された色彩のおかげでこのクオリティの高さが当たり前に聴こえてきて、その意味で感動とありがたみもちょっと下降。簡潔に言えばちょっと(聴く方が?)中だるみしてきそうなのがこのあたり。

そして8曲目はフルブラスト爆走パートと、中盤のドリーミーな雰囲気とギターのメロディの対比が印象的。地の底からエコー気味に噛み付いてくるようなヴォーカルも素晴らしい。

中盤のパートにピアノの音色も入ってミステリアスな雰囲気を演出する9曲目は、邪悪でかつドゥーミーなドロドロ感もあって、地獄からの怨念がわきあがってくるのを目の当たりにしてるよう。最後には幽霊みたいなクリーンヴーカルも入ってて、ネクロでスピリチュアルな味わい。

そしてラスト10曲目”Kingdom of the Worm”は、Motörheadのカバーなのですが、原曲知らなくてそう書かれてあるの見るまで全く気付きませんでしたゴメンナサイ。。。実際全く違和感の無いブラックメタルのトーンになってて、作品のシメとしての役割が完璧に機能していると思います。

そして曲最後のギターソロが超必殺。ギターソロでドキッとさせられるのはかなり久しぶりで、恐るべき切れ味と破壊力。ただそのミラクルな瞬間を聴いて、「やっぱり彼らは只者ではない」なんて思った自分がちょっと恥ずかしい。凄いけど、カバーだから、ソレ><

スウェディッシュスタイル極まる恐るべき作品

すでに触れたとおりですが、基本的には前作の延長上の作風で、彼らのスウェディッシュスタイル・ブラックをよりハイレベルな形で昇華させた作品という事になると思います。

最も恐るべき点はその進化の度合いで、一気に威厳と貫禄たっぷりの音世界になったこと。個人的には例えば、WatainやNecrophobicといった本家(?)スウェディッシュベテラン勢を超えたのではないかと思うくらい。いや、私的な好みで言えば完全に超えてます。特にブラスト爆走パートのキレっぷりといったら!

本作のリリース後は目立った活動が見られない彼らBlack Cultですが、本作で完全にヤラレました。ということで、次作にもかなり期待したくなる作品。

Amazon様↓

Black Cult – Cathedral of the Black Cult

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