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[レビュー]Bombarder – Okot Iz Pakla(ボスニア・ヘルツェゴビナ/スラッシュ・スピードメタル)

[レビュー]Bombarder – Okot Iz Pakla(ボスニア・ヘルツェゴビナ/スラッシュ・スピードメタル)

ボスニア・ヘルツェゴビナはサラエボ出身の爆弾スラッシュ・カルト、Bombarderの7thフルアルバム。2016年作品で最新作(本稿執筆時点)。

タイトルの、Okot Iz Paklaは英訳すると、Trash(Garbage?) From Hellという感じになるみたいです。ボスニアの英会話講師が教えてくれました。感謝です。

Amazon様

Bombarder / Okot Iz Pakla [Explicit]

本作にまつわる周辺情報?

ここThe World Won’t Hold Your Handでは2作目のレビューで、前記事では1stアルバムについてあれこれ書いてましたが、その間の作品は未聴です。

Metal Archivesによるとメンバーは結構流動的のようで、1stアルバムから不変なのはVoの Nenad “Nešo” Kovačević氏のみのようです。

ちょっと詳細情報を入手できていないのですが、いつの時点からか、活動の拠点をセルビアの首都ベオグラードに移しているみたいで、ブックレット見てると、レコーディングはセルビアで行われてますね。

ブックレット眺めてちょっと謎なのが、そこにはツインギターの5人編成と書かれているのに、Metal Archivesのレコーディングメンバーはヴォーカル、ギター、ベースの3人でドラムスはプログラミングになってる点。。。うーん。どこかにインタビュー記事とかその他落ちてれば良いんですけど、今のところ見つけられてません。

↓1stアルバムについてはこちら。参考にどうぞ

[レビュー]Bombarder – Speed Kill(ボスニア・ヘルツェゴビナ/スラッシュ・スピードメタル)

切れ味最高の名スラッシュ盤

さて、本作は自分にとって2品目のBombarderになるわけですが、これは・・・強力。。

1stアルバムからは25年以上経ってるので、当然プロダクションはマトモになってるというか、現代の1級品。なんというか、各パートの音が非常にクリアに分離してるので、ギターはザクザクガリガリ、ドラムスはドスドスバシバシ、ベースはブンブン言ってます。

単純にこの音でスラッシュメタル、というだけで自分はヤラレてしまいそうです><

音についてもう少し書くと・・・上の方で少し触れましたが、ドラムスはプログラミング?かも知れないのですが、自分の耳では全く判別不能です。違和感ゼロ。

自分のこれまでのイメージだと、どうも打ち込みドラムって不自然さが残るんですが、これは全然違和感なく、むしろ快感なくらい。

以前に書いた、Claymoreanのレビュー記事 の時もそうでしたが、最近の打ち込みって、凄いんでしょうか。

 

強力なサウンドで聴かせてくれる本作ですが、曲にも注目(耳?)してみましょう。

もはやベタ(?)なホラーっぽい鐘の音のイントロから始まり、厚みのあるギターがそれに重なって盛り上がって・・・

1曲目からいきなり超必殺級キメキメのギターリフでノックアウト。

どこを切ってもかっこよすぎ。。1stがある種ポンコツスラッシュだったのが嘘みたい。時の流れが、彼らを地獄のキリングマシーンに変貌させました。

文字ではとても表現できないのですが、ダーダーダーダー ダッッダダッダッ ダッダダダッダッみたいなキメが、昔々初めてTestamentの”First Strike Is Deadly”聴いた時の衝撃を思い起こさせます。

似てるかというと、実際ちょっと違うと思うんですが、近い雰囲気もあると気もします。どうでも良いかもですが、どちらかというとFirst Strike Still Deadlyに入ってた方っぽい??

 

続く2曲目は、3連?シャッフル?リズムが印象的な曲。自分こういう3連リズムの曲にチョー弱いので、非常にツボです。縦ノリというかなんというか・・・首がもげそう。

歌詞が全編ボスニア語(セルボクロアチア語?どう表記するか難しいです。勉強不足です)なので、何歌ってるか全く解読も出来ないですが、

”ブリーズ イェ キラァァ~ィ” って絶叫がなんか良いです。

1stで聴こえてたのと全く不変ですが、ヴォーカルの Nenad “Nešo” Kovačević氏の怪しいリズム感で繰り出される、呑んだくれオヤジ風の酒臭い叫び声も(ほめてます、もちろん)、Bombarderの持ち味の1つといってよさそうです。

 

この1~2曲目があまりに強烈すぎて、個人的には3曲目以降はちょっと普通に聴こえてしまうくらいなのですが、でもでも全編、隙のないスラッシュ/スピードメタルです。

実際他にも、ミドルテンポでじわじわ聴かせる系かと思いきや、曲中盤以降のファストパートのキレ味が鋭すぎる5曲目など、やっぱりカッコイイ。

これも1stアルバムの記事で書きましたが、全体の雰囲気は変わらずカラリとしているというか、オカルト臭い湿り気みたいなものはそれほどないと思います。あんまり詳しくないですが、比較的最近(?)のクロスオーパースラッシュにやや寄り、というと近いかもしれませんね。

 

ベテランの貫禄?

という事で、とりとめなくあれこれ書きましたが、とてもタイトかつ強力なスラッシュメタルの名盤といって良い1枚な気がします。

バルカン地域で見ると、今のところ自分の知る限りで25年以上のキャリアを持つメタルバンドって、他に見当たらない気もしてて、その点でも長年の歴史みたいなものが醸し出す何かが、作品にも表れてる?のかも知れません。

また、以前に書いた Horror Piknikの記事 でもそうでしたが・・・バルカンスラッシュってレベル高いの多いかもです。個人的にはここ数年はブラックメタルばっかりだったので、最近のクロスオーバースラッシュとか、リバイバル(?)ものってほとんど聴いてなかったので比較は出来ませんが、きっとそう。

その中にあっての、25年超のキャリアが放つ風格というか・・・未聴ですが彼らのトリビュートアルバムも出てるようなので・・・・たぶんBombarderはバルカンスラッシュにおける始祖バンドの1つで、バルカンのメタルを語るうえでマスト、と言っていいんではないかと思います。

あ、あとはまだ調査中ですがセルビアはNovi SadのAnnathemaも、ルーツオブバルカンメタルになるっぽいですね。これからもあれこれ聴いていけるよう頑張ります。

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