[レビュー]Festival Of Mutilation – Gods Of Infernal Desolation(ボスニア・ヘルツェゴビナ/デスメタル)
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ出身のテクニカル・デスメタルバンド、Festival Of Mutilationの1stアルバム。2009年作品。
情報源はMetal Archivesくらいしか見つからなかったのですが、それによると、ベーシストは同郷のブラックメタルOdarがらみだったり、ドラムスは同じくOdarやセルビアのBaneでライブに出てたり、ギタリストはまたボスニアのメロデスSilent Kingdomもやってたりと、いろいろ関係の深いバンドといってよさそうです。
なんというか、こちらはテクニカルデスで、Odarはペイガンというかヒーザンというか・・・なタッチ(?)のブラックメタルで、Silent Kingdomは(確か)テクニカル系メロデスということで、ボスニアやセルビアのシーンはサブジャンルごとの垣根みたいなものはあんまりないのかな、と思わせる人物相関ですね。
で、音楽の方はというと、ひとことで表すとやはり、オールドスクール・テクニカル・ブルータルデスということになるでしょうか。
デスメタルはそこまで詳しくはないのですが、個人的にはUSの大御所Suffocationに近いんではないかと思います。
ミュート気味にうにょうにょザクザクしたギターリフに、スタタタタと2ビートしたりブラストしたりなドラムス、その後ろでもにょもにょウネウネしてるベース・・・なんか今回は変な擬音ばっかりな表現になってますね(苦笑)
ファストパートの後に急激にスローダウンするあたりもSuffocationぽいというか、スラミング・デス的というか、です。
何度か聴いて、全体的になかなか悪くないのですが、いまひとつ印象に残らないというか、熱さに欠けるというか、というのが個人的に正直な感想。
理由を考えてみると、曲構成がテクニカルよりなせいか、ややキャッチーさに欠けるのでなかなか入ってこないとか、(古い例えだとCryptopsyとかも個人的にそんな感じなのです)
複雑なリフがめまぐるしく、次々と炸裂してはまた次の展開へ、というのが逆に、ツボにはまってカッコいいと思う瞬間をややスポイルしてしまうというか、
音質がクリアで分離もいいのだけれど、ちょっと線が細いというかファットさが足りない感じで、せっかくの演奏がこじんまりと聴こえてしまって、その分どうもアツくなれないとか。音作りの感じは90年代のUSデスメタル勢を思わせます。
そう、自分はもっと耳から入って頭吹っ飛びそうなブルータリティが欲しいのです、デスメタルとしては。
比較がおかしいのは承知のうえですが、例えばUSキレキレハイパーファストなBrain Drillさんとか、同じくUSの完全ビョーキ&変態テクデスのViraemiaさんとか、ああいうの聴いて鼻血出そうになるのを求めてしまうと、ちょっと物足りない。。
実際このFestival Of Mutilationのオールドスクールな香りから言っても、今風(?)の宇宙人デスとは趣が違うので、やはりオールドスクール・テクデスとして楽しむのが良いのでしょう。
・・・バルカン補正でどんな駄盤もホメまくりたいところですが、どうしてもネガティブ気味な表現になるのに涙。これは聴き込みがまだまだ足りないって事でしょうか。
1000回ぐらい?聴きまくって隅々まで把握を成し遂げたなら、そこには極上のカタルシスが待っているかもしれません。きっとそうです。なんてったって、バルカンはボスニア産ですから。
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