[Review]Claymorean – Sounds From Dying World(セルビア/フィーメイル・エピック・パワーメタル)

[Review]Claymorean – Sounds From Dying World(セルビア/フィーメイル・エピック・パワーメタル)

セルビアのLazarevac出身、女性Voエピック/メロディックパワーメタル、2017年作品。自分が買ったのは手書きナンバリング入りで、351/500でした。実は公式Bandcampではリクエストすればサイン入りのCDが買えるのを知っていたのですが、迷ってるうちに完売、手に入らず。

―後悔先に立たず。自分の魂のヌルさを恥じてます。

 

Claymoreanとしては2作目で、Claymore時代から数えると通算4作目のアルバム。前作では、「Female Fronted Epic Sympho/Power」と自ら名乗っていましたが、今回は「Female Fronted Epic Power/Doom」と若干のスタイルの変更が見られます。

メインとなるメンバー構成は前作と同じですが、男性シンガーが抜け、Dejana女氏が全てのヴォーカルパートを担っています。

前作と比べて、疾走曲と、クワイアを使ったシンフォニック感が減退して、彼ら自身が名乗るとおりの、”ドゥーム” テイストが前面に出た作品になっているというのが一通り聴いた印象。

ドゥームといいつつも、基本的にメロディーの雰囲気はメロパワ的というか、メロディックメタルのヒロイックなそれなので、例えばデス・ドゥームみたいな墓場系?の様に暗くなったわけではないと思います。前作よりはやや重苦しいトーンの作品ではありますが。

本作リリース後のインタビュー記事によると、これらは彼ら自身狙ってやったものではなく、彼らが楽しめるものを書いた結果なのだそう。

ただこれも”ドゥーム”と表現して良いのだとすると、個人的にはますます”ドゥーム”の定義が分からなくなりそうですが・・・。英会話講師の1人はOpethを”ドゥーム”と読んでたし。。あれもそうなんでしょうか???

 

さてさて。

前作に比べさらに音の厚みが増し、シンフォ要素が減退した分を補って余りある音作りで、勇壮なテンポで”I am the ruler of hell“!!と高らかに宣言してみせる1曲目、”The Road of Damnation”の1音目からさっそく”パワー”メタルしてます。これはアツいっす。。

本作でもドラムはプログラミングですが、前作同様まったく違和感を感じさせないのが見事すぎます。

2~4曲目ではエピック・ドゥームらしいスローなテンポでじっくりと聴かせる曲が続きます。経験上パワーメタル系のミドル・スロー曲はあまり好きになれず飛ばすことが多いのですが、Dejana女氏の歌唱がさらに力強さを増したことも手伝って、退屈さはそれほど感じません。

そしてきっとたぶん本作のハイライトのひとつである疾走曲の5曲目、”Rage of the White Wolf“。これが凄すぎる。ザ・パワーメタルな(クサ)メロディックかつタフなリフと、最高音を更新しまくるDejana女氏の歌声・・・

文字で表現するのは非常に難しいですが、

ファイアーアン ブラアアアアアアアアアアアァァァーーー!!!!!!!!!!

みたいな(爆)

ナメた事をヌカしてるとアートワークに描かれてるワルキューレ?(インタビュー内では「Shield Maiden」とも表現してます)に一刀両断にされそうです。

 

実際、このDejana女氏の歌唱、前作と比較して驚くべき進歩というか飛躍というか、を見せていて、もはや彼女の存在抜きにこのバンドのこの音楽は成り立たないんじゃないかと。

ところどころで アァアァアァと・・・しゃくるって言うんでしたっけ?やってくるところとか、前作での歌声に残ってた可憐さみたいなものと引き換えに、一気に戦士のそれに変わった様な。きっと何か、歌唱についてつかんだものがあるに違いないんでしょう。覚醒してます、完全に。

例えるならSinergyの頃のKimberky Gossというとイメージ近いんではないかと思われます。

 

 

・・・曲も素晴らしいし、Dejana女氏の歌唱も目を見張るものがあるので、ぜひライブでも観たいというのは、前作のレビューにも書きましたが、インタビュー記事にはそのあたりのライブ事情関連も載ってたので、少し見てみましょう。

インタビューによると、実際彼らはそれほどライブをやることに熱心ではない様子なのですが・・・

というのは、バンドはドラマー不在で、特にセルビアではドラマーを見つけるのは非常に困難で、しかもセルビアには熱心なメタルリスナーというのは少ない。さらにバンド活動はお金にならない上に、マトモな会場や機材は値段も張る、ほとんど全てのメタルバンドは衣食住や加えて機材のために本職の仕事してなきゃならないし、その仕事だって給料は安いし・・・という状況だからだそう。セルビアでメタルをやるってのはそういうマゾヒスティックな事、なんですって。うーん。

同じくセルビアのBaneのインタビューでも似たような発言があったので、事実なんでしょう。セルビアの英会話講師もそんなニュアンスで話してたし、残念ながらセルビアはヨーロッパの中ではもっとも貧しい国のひとつに数えられてもいるようですし。。

直接関係はないけれど、セルビアやボスニアの英会話講師達は皆さんとても親切で人当たりもよくて、勝手に親近感持ってて、こういう事情聞かされると、微力ながら少しでも応援できたら、と思わずにいられません。

レビューとは違う方向に行ってしまいましたが、素晴らしい音楽を生み出してくれたことに感謝し、さらにバンドの活動が続いていくことを祈りたい、そう思わせるこれまた素晴らしい1枚。

 

参考にした記事↓

CLAYMOREAN The Road to Damnation

http://antichristmagazine.com/interview-claymorean/

http://ghgumman.blogg.se/2016/february/interview-with-claymorean.html