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[レビュー]Manheim – Nihil(クロアチア/ブラックメタル)

[レビュー]Manheim – Nihil(クロアチア/ブラックメタル)

クロアチア出身のブラックメタルManheimの1stフルアルバム。2013年作品。ドイツのEternal Sound Recordsなるレーベルからのリリース。

関連情報

これまたMetal Archivesくらいしか情報源がないという中ですが、バンドについてあれこれ確認してみると・・・

バンドの結成は2007年とあります。その後2010年には3曲入りEP”Kreatura”をリリースしています。

当時のメンバーはMamut氏(ヴォーカル・ベース)、Stonesurfer氏(ギター)、Sandor氏(ドラムス)という3人。

その後、2013年に1stフルアルバムとなる本作”Nihil”をリリース。メンバーは上記の3人に加え、新たにTumor氏(ギター・キーボード)が加わりました。本作が今のところ唯一のフルアルバムになっています。

公式Facebookを除くと、2013年にはウクライナのブラックメタルフェスに出演してたり、翌2014年には地元クロアチアでAmon Amarthの前座を務めたらしい。その後は2017年ごろに同郷クロアチアのブラックメタルBlack Cultらと共にライブを行ってた形跡はあるのですが、その他の活動の状況は不明。。。

真っ黒Mayhem系?

Manheimという意味深なバンド名は、もしやMayhemリスペクトなのか?と勘ぐってしまいそうな彼らですが、実際の音の方も、どことなくChimeraアルバムとかOrdo ad Chaoアルバムの頃のMaymemの、あのどんより?した真っ黒感をイメージさせるブラックメタルになっています。

音質は低音の結構聴いたクリアな感じ。全体を通して、あんまり色気というか甘味の無いギターリフがほとんどを占めているので、非常にクリア&ビターな質感の作品になってます。そういう暗さというか黒さがMeyhemっぽい個人的な印象。

 

アルバム冒頭、1曲目から暗黒感満載。ジャジャジャーン、とねっとりしたリフが重苦しく迫ります。ここではベースのぶいーん、みたいなパルス感も結構目立ち、中低音のうめき系ヴォーカルと相まって、黒さ渦巻く濃厚な暗黒世界が広がってますね。要所ではスタスタと疾走する瞬間も見せるものの、全体を覆うのはジワジワと迫りくる真っ黒な怨念か何か。こういう一歩引いた(?)印象の曲を幕開けに配置するあたり、なかなか通好みというか手練れ感を思わせる気もします。

2曲目はちょっとスラッシュ風の緊迫感の疾走曲。リフそのものは案外シンプルで、どことなく昔のCeltic Frostを現代風にしたような雰囲気も感じます。

続く3曲目はロングトーンのリフの壁と、鬱っぽいアルペジオ風単音リフの響きが、やっぱりMayhemっぽい一品。真っ暗な部屋の隅で一人憂鬱と狂気に頭抱えてるみたいなあの感触。そして中盤では精神崩壊で発狂のブラストビートが大爆発。闇落ちの錯乱絵巻。

4曲目はコードガリガリ系で炸裂系。これまたMayhemに例えるならDeathcruchみたいなイテマエ感、でしょうか。要所で爆発してる半ばヤケクソ気味の前のめりブラストビートが耳を引きます。というか前曲みたいなちょっと無気力な狂気のイメージを引きずってると、結構びっくりしますね。

タイトルトラックとなる7曲目は、本作のハイライトでありながら、本作で一番の沈み込みをも見せる一品。スローに入り、ほとんどデプレ系かと思うような重苦しさと、ミステリアスなキーボードの音色が鬱です。いや鬱を通り越して虚無に片足突っ込んでるかも。それから曲後半のトレモロのハーモニーがとても気味悪くて素晴らしい。甘味ゼロでありながらメロディアスという闇の奇跡ってところでしょうか。

ラスト9曲目はMayhemの伝説の名曲”Deathcruch”のカヴァー。アルバム初聴きの時に、なんだかMeyhem方面の黒いブラックメタルかな、と思いながら聴いてて、ラストにこれが飛び出したときは「ああやっぱりね」感が凄かったという。。。バンド名、真っ黒な作風、そしてこのカヴァー、とやっぱりMayhem崇拝のバンドということの証明、なのかも知れませんね。

憂鬱と狂気のはざまのブラックメタル

なんだか全体を通して、全く光の差さない暗黒感が印象的な本作。攻撃性や狂気みたいなものも結構封じ込められているのですが、それらよりも何よりもひたすら続く真っ暗闇。明けない夜に忍び寄る無。

アルバムタイトルの通り、描かれたのは「無」ということなのでしょうか。

作風としてはどちらかというと分かりやすい即効性というよりは、ジワジワ染みてくる味わい深さ、みたいな雰囲気なので、やや地味な面もある気もします。

とはいえ、デビューアルバムの割に結構な貫禄でその黒一色の世界を描いて見せてるのはなかなか素敵。

個人的にも実際、甘くないの聴きたい気分の時に、結構お世話になってます。デプレ系だとダルすぎるけど、メロディのあるプリミティブ系だとセンチメンタルすぎる、みたいな微妙な気分の時に、このビターさと冷たい狂気というか自傷行為みたいな(?)攻撃性がいい具合にハマリそうな絶妙さ。

という事で、やっぱり地味に結構好きな一枚。本家?Mayhemのレジェンドたるオーラには敵わないかも知れませんが、醸し出す黒さが甘美な作品になってます。これが今のところ唯一の作品となってるのが惜しまれます。

Metal Archivesによれば解散はしていないみたいなので、ぜひ次作にも期待したいブラックメタルです。

Manheim – Nihil

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