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[レビュー]Plague – A Blaze of Unholy Fire (ブルガリア/ブラック・デスメタル)

[レビュー]Plague – A Blaze of Unholy Fire (ブルガリア/ブラック・デスメタル)

ブルガリア出身の(出身都市は不明)ブラック・デスメタルPlagueの4曲入り1stデモ。2017年作品。中古で偶然発見できたので、予備知識ゼロ状態でブルガリア産ってだけで入手です。

リリースはメキシコのChaos Recordsというところからで、CDは500枚限定ということのようです。他にはカセットでもリリースされていて、1stデモ音源としては結構しっかり流通してる?でしょうか。

関連情報

Metal Archivesによるとバンドの結成は2016年とあります。メンバーは当時から、Catacombs氏(ヴォーカル・ドラムス)とS.H.氏(ギター・ベース・バックヴォーカル)の2人のようです。

この2人はこれまで、ブラックメタルのДревна(Drevna)やデスメタルのMass Grave、スラッシュメタルのAxecutorといったバンドに関わってきていますね。

2017年の本デモ”A Blaze of Unholy Fire”の他には、翌2018年4曲入りの2ndデモがカセットでリリースされています。また、彼らの公式Facebookを見てると、何か続く音源のリリースを匂わせてるような気がしますが、詳細は不明というのが、今のところの近況になるでしょうか。

 

AxecutorのEPは↓記事で紹介しています。

[レビュー]Axecutor – Aggressive Extermination(ブルガリア/スラッシュメタル)

4曲12分の邪悪な嵐

作品のタイトルがどことなく”あの”ブラックメタルの名作を思い起こさせそう(?)な本作ですが、中身の方も確かに真っ黒な嵐が吹き荒れそうな音楽が封じ込められています。

カテゴリ的にはBlackened Deathかな、という個人的な印象。ちょっともこもこしたファット感の音質が良い意味で程よくルーズで、そのあたりがデスメタル風。一方邪悪でベスチャルなリフ使いや攻撃性、カルト風味はブラックメタル的な感じもします。

例えば冷徹な切れ味の無慈悲なキリングマシーンというよりは、狂気と歪んだ情熱の鈍器撲殺系?あるいは錆びたナタでも振りかざして追っかけてきそうな・・・。

ヴォーカルは中低音ダミ声~グロウルで、良い感じに渋くてマッチョな歌声です。ドラムスはブラストビートをドカドカ打ち込んでいますが、これも音のキレというより一つ一つのアタック感が強く出ていて、その辺がきっと撲殺感。気合が入っていてナイスです。

 

1曲目冒頭からさっそく2ビートとブラストを交えて炸裂していきますが、ギターの音質もあってどこか重いものをそれ以上の力でぶちかますような引きずり感があって素晴らしい。途中切り込んでくるうにょうにょした単音トレモロリフはPossessedかな??

2曲目のかきむしるようなリフは昔のスウェディッシュ・デス勢をちょっと思い起こさせるブンブンブリブリ感。と思いきや再びPossessed的にょろにょろトレモロが飛び出して・・・彼らの音楽はその間のバランスの上に立ってると捉えるとイメージしやすいかも。音楽全体の音圧もたっぷりなので、低音の暴力的圧迫感が強力です。

続く3曲目も変わらずブンブンドカドカバシバシと、鬼のようにキメまくってくれますが、曲後半に飛び出す妙に勇壮なメロディーというかリフにハッとさせられます。なんと表現したら良いのか・・・Amon Amarthってこんなパートなかったっけ?みたいな、ちょっとクサみのある漢らしさというか。。

ラスト4曲目はNifelheimのカヴァーだそうですが、すみません原曲知らないです>< 彼らのオリジナルと比べてもそんなに違和感が無くて、そう書いてあるの見るまで気付かなかったやつです。

 

どの曲も2分台~3分台とコンパクトで一気に駆け抜ける、全4曲約12分。再生時間の割りに結構密度は濃く、がっちり魅せつけてくれますね。

メンバーの才能光る?

自分はあんまり詳しくはないのですが本作聴いてて、彼らのこういう音って、War/Bestial Blackの文脈に位置づけられうるかも、という気もしました。

同時にこのブラック・デス・スラッシュ方面の要素の絶妙なバランス感覚も、ありそうで意外と多くないような気も。そのあたりはもしかすると、ブラック~デス~スラッシュそれぞれのスタイルを持つバンドに関わったCatacombs氏とS.H.氏のキャリアの成せる業なのかも。

4曲約12分で、ド直球の攻撃性をぶちまけてくれる見事な作品で、次はフルアルバムとしてどんな作品が生み出されるのか期待したくなります。ちょっとヒネりを加えて特徴づけてくるのか、金太郎飴上等でこのままブッ飛ばすのか・・・。

そういえばテキトー買いの本作でしたが、結果当たりで嬉しい一品。ブルガリア産も要注目ですね。

 



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