[Review]Warnament – …Where Home Is Found…(北マケドニア/スラッシュメタル)

[Review]Warnament – …Where Home Is Found…(北マケドニア/スラッシュメタル)

北マケドニア出身のスラッシュメタルWarnamentの1stアルバム。2010年作品で執筆時点では最新作。自分がゲットしたのはたぶん白黒ジャケが目印のオリジナル(?)盤で、再発盤はカバーアートがカラーになっている模様。

と、個人的に本記事を書き始めてなんだか違和感が・・・。

「マケドニア」をめぐる周辺情報とか

というのは、彼らWarnamentはマケドニア出身という事でCD購入しましたが、これ書き始めてMetal Archivesで情報探したりしてると、出身国の表記がNorth Macedoniaに。他にもオンライン英会話の講師の国籍欄がいつの間にか北マケドニアになってたりと、国名表記が変わってる。。。

あれこれ調べてて、外務省HP情報にたどり着いたので見てみると、2019年2月から北マケドニアという表記を国際的に使用することになったんだそうですね。全然無知でした(汗

なんでも”マケドニア”の国名をめぐる議論が以前からあったらしく・・・詳しくは↓にリンクを貼っておきたいと思います。

マケドニア旧ユーゴスラビア共和国の国名問題の最終的解決について(外務報道官談話)

 

彼らWarnamentの結成は2007年。これまでにはいくつかのデモやスプリットをリリースしてるみたいです。そのうちの1つはセルビアのスラッシュDeadly Moshとのスプリットですね。

それらのデモやスプリットに収録されている曲たちのほとんどは本作にも収録されているようで(録音の相違は不明ですが)、本作を押さえれば彼らの楽曲がだいたい一通り聴けるという事でよさそうです。

Metal Archives情報によれば、人脈的には割りと独立したバンドのようで、その点では関連バンドが複雑に芋づる式に膨れあがって・・というファン泣かせな事にもならなそうです。良くも悪くも。

“Speed” or “Thrash” ?

それでは彼らの音楽を聴いていってみましょう。北マケドニア産メタルは初聴きになります自分。

全体的な印象は80年代初頭の、まだスラッシュメタルと表記するかスピードメタルと表記するか揺れてたと思われる時代の雰囲気に近いと思います。Overkillはそれほど詳しくないのですが、なんとなくそのOverkillと初期Metallicaの中間くらいの感じ?でしょうか。

ヴォーカルは濁らない系のクリアな声で歌詞を追ってますが、歌メロというほどメロディはないので、そのへんはスラッシュメタルらしいのかなと思います。たぶんこのヴォーカルの声色が、どちらかというとOverkill寄りのスピードメタル風に聴こえる要因かも知れません。

一方ギターリフの刻みやドラムビート等はもう少しアグレッシブかな、という印象で、これらはもっとMetallica寄りと言えると思います。

曲調はどちらかというとアメリカ勢のやってる感じに近いと思います。どこかで書いたように、バルカンスラッシュ勢はどうもアメリカ勢に近い比較的カラッとしたノリを持ったバンドが多い気がしてるのですが、本作も例にもれず、そういったバルカン勢らしい(?)テイストの作品になってます。

音質がクリアなのも、こうした雰囲気を生み出す要素のひとつになっているんでしょう。例えばジャーマンスラッシュ勢の初期作品に漂うあのオカルト風味というか湿り気というのは、あのちょっと濁ったような音質の(いい意味での)チープさによると思うのですが、本作にはそういう要素はほとんどありません。その点でも、彼らの音楽は80年代初頭のスピード/スラッシュメタルのあの感じ、だと表現できそうです。

カテゴライズに意味があるのかは分りませんが、どんな音楽か伝えるには、多分こういう表現した方がイメージしやすいですよね、たぶん。

 

個人的に特に耳を引いたのは、4曲目。冒頭からスリリングなリフでザクザク進む、高速ダウンピッキング(たぶん)がちょっとだけAnthraxのCaught In The Moshを思わせるクールな曲。聴けば聴くほど、ダウンピッキングする利き手が痙攣しそうな、まさにスリリングな1曲です。

 

ヘッドバンガーな紳士淑女に

例えば爆走ブラックメタルでも、ぶるっぶるのブルデスでも、エクストリームなメタルはその攻撃性が最高にクールで心地よく、魂を満たすものであったりすると思うのですが、ただ時にはその強烈さのあまり、頭を振ろうにも、首が追いつかない><

そんな時に本作を聴くと、なんだか在りし日のメタルの姿を思い出すような、ノスタルジックな感触が思い起こされます。早すぎないビート、複雑すぎない曲構成やリフ、でもその中には確実に血を熱くさせる何かがあって、ヘッドバンギングを誘うという・・・時に難解になりすぎたメタルへのアンチテーゼ、というとちょっと格好つけすぎでしょうか。

北マケドニア出身という点とは何ら関係ないことですが、いやあるいはどちらかというと辺境の地だからこそ、こういう音が生み出されたのかも知れません。

なんだかやたら巧い高校生スラッシュバンドみたいな雰囲気もあって、そのニュアンスで、あぁ彼らきっと自分たちの好きなことを、トレンドとは関係無しに、のびのびやってるんだろうなぁ、みたいな。

総じてとても心地よくスラッシュ感に浸れる作品で、バルカンスラッシュってやっぱり良いよね、な1枚。ヘッドバンガーな紳士淑女の皆様に。

 

関連?作品。どうもこういうイメージなんです。↓

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